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「生き残る判断 生き残れない行動」アマンダ・リプリー著 [日常生活]

本紹介:「生き残る判断 生き残れない行動」アマンダ・リプリー著、岡真知子訳、光文社、2009年12月発行

震災だけでなく、だれでも台風、火災、大きな事故などに遭う可能性があります。
大好きな海外旅行に行っても、飛行機やホテルなどで事故や火災に遭うこともあります。こんな時、生き残る人と残れない人がいます。命の危険にさらされたら、人はどのように反応し、行動するのでしょうか。一体何が生死を分けるのでしょうか。
筆者のアマンダ・リプリーは事故や事件の記録を詳細に調べ、生き残った人に会って証言を集め、専門家の意見を聞き、集大成としてこの本を書き上げ、これらの疑問の解明に取り組んでいます。
飛行機で旅行するとき、同行している友人に「安全のしおりや脱出口の確認などをした方がよい」などと話しかけても「事故に遭ったら何をしても死ぬのは一緒だよ」とうるさがられるだけで、話を聞いてもらえないことがよくあります。しかし、統計上、「1983年から2000年の間に起こった重大な事故に巻き込まれた乗客のうち、56パーセントが生き残った」(18ページ)となっています。「全員即死」という選択の余地のない事故ばかりでなく、重大な飛行機事故でも半数以上の人が生き残っているのです。また、規則を無視した行動をとり、本人だけでなく他の乗客の命をも脅かす行為もあります。例えば、救命胴着を機内でふくらませて身動きできなくなったり、手荷物を持ち出そうとして通路をふさいだり、前の人を押したり、脱出シュートに飛び乗るのをためらって時間を無駄に使ったり、さまざまです。
地震、台風、火災、大きな事故などに遭遇したとき、人はどのような反応を示すのでしょうか。ほとんどの人は脳が働かなくなるそうです。多くの人が、「事故が起きたとき判断して対応すればいいし、その時になってみなければ分からないことが多いので、普段から心がけようなどと言われても、やる意味があるとは思えない」と考えているのではないでしょうか。残念ながら、事故に遭遇したとき自動的に身体が動くように、事前にインプットしておかないと、生き残る行動がとれないと考えていた方がいいのです。
爆発音を聞いたり、煙や炎を見たら、ほとんどの人が避難を始めると考えられがちです。ところが実際は「否認」という行為にでて、「何もしない」人がほとんどだそうです。この時誰かが、大きな声できっぱりと、「立ち上がって、後ろの避難口から避難しなさい」と指示をすると、やっと動き出すのです。

本書で紹介されている、「恐怖に打ち勝つ法」を紹介します。(148ページ)
それは簡単な呼吸法です。グリーンベレーやFBI捜査官にも伝授されているそうです。
「4つ数える間に息を吸い込み、四つ数える間息を止め、四つ数えるあいだにそれを吐き出し、四つ数える間息を止める。」
とても簡単です。
その他に、1日に40分間黙想する人も恐怖に打ち勝つ力が強いとしています。(150ページ)でも、「黙想」をどうやったらよいかは紹介されていません。

この本を読んで、私自身の行動で変化したことがあります。
それは、通勤時安全設備の場所などをチェックしながら移動することにしました。
ホームに設置された「非常停止ボタン」の場所、AEDの設置場所、車内の車掌さんと話ができるボタン、消火器に場所など、毎日同じ所を通っていますが、繰り返し脳にインプットするよう心がけています。
心がけの効果が実証されるような事態には遭いたくはないけれど。
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